
前回からの続きです
では、その「安心できる情報」はどこから来ているのでしょうか
体が「ここは安全」と判断するとき、
実は大きな役割を担っている感覚があります。
それが、前庭覚(ぜんていかく)です。
前庭覚は、
・頭の位置
・傾き
・動き
を感じ取る、いわば体のバランス感覚の土台のようなものです。
この感覚が安定していると、脳は
「今の姿勢は大丈夫」
「倒れる心配はない」
と判断しやすくなります。
前庭覚がうまく働きにくくなる場面
前庭覚は、
加齢だけでなく、生活環境の影響も受けやすい感覚です。
例えば、
• あまり頭を動かさない生活
• 一点を見続けるデスクワーク
• 緊張が続くストレスフルな環境
• 運動量が少なく、同じ動きばかり
こうした状態が続くと、
前庭覚への刺激が偏りやすくなります。
すると脳は、
「安定しているかどうか、判断しにくい」
状態になります。
その結果、
念のため体を固めておこう、と
首や肩に力を入れる反応が起こりやすくなります。
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首をほぐす前に、前庭覚にやさしく刺激を入れる
だからこそ、
首こりを楽にしたいときは、
いきなり首を揉むよりも、
• 視線をゆっくり動かす
• 小さく頭の位置を変えてみる
• 立った状態で足裏の感覚を感じる
といった、
前庭覚にやさしい情報を入れることが効果的な場合があります。
体が
「動いても大丈夫」
「バランスは取れている」
と感じられると、
首や肩は、
守るために入れていた力を、自然に手放します。
姿勢改善につなげ、美しい立ち姿を手に入れるためにも必要な感覚です
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首こりは「首の問題」だけではありません
首こりは、
首だけを見ても解決しないことがあります。
体全体がどう感じているか、
脳がどんな判断をしているか。
そこに目を向けると、
首こりの見え方は大きく変わります。
ほぐす前に、安心させる。
動かす前に、感じる。
それが、
首こりを根本から楽にしていくための、大切な入り口です。