
「これは何のためにやるんですか?」と聞いてもらえることが、嬉しい
最近、入ってくださったお客様が、トレーニングのたびに、
「これは何のためにやるんですか?」
「どうしてこれをやるんですか?」
と質問してくださいます。
私は、その質問をしてもらえることが、とても嬉しいです。
もちろん、トレーニングの目的を知りたいと思ってくださること自体も嬉しい。
でも、それだけではありません。
私がこの質問を嬉しいと思うのには、理由があります。
実は、以前の私も、「なぜこのトレーニングをするのか」という疑問を、いつもどこかに持っていました。
でも実際の現場ではマニュアルで教わったエクササイズを覚えて、お客様に提供する。
それが指導の基本になっていて、
「なぜこの人に必要なのか」
「なぜこの動きなのか」
と掘り下げて考えたり、疑問を尋ねたりする機会は、ほとんどありませんでした。
疑問を持って質問しても、納得できる答えが返ってくるとは限らない。
「もっと知りたい」
「もっと理解したい」
と思いながらも、まずは教わったことを正しく行うことに意識を向けていました。
今振り返ると、あの頃の私は、分からなかったのではなく、分からないことを深く学ぶための環境がなかったのだと思います。
■「これで本当に合っているのかな」という不安
それでも、お客様にトレーニングを提供する以上、
「このやり方で本当に合っているのだろうか」
という不安は、いつもどこかにありました。
エクササイズのやり方は知っていても、
「なぜこの人に必要なのか」
「なぜこの動きでなければいけないのか」
というところまで、自分の中で十分に理解できていなかったからです。
お客様の動きを見て、「ここは直したほうがいい」と気づくことがあっても、
なぜ違うのか。
どうして直す必要があるのか。
そこを自分の言葉で説明しきれないこともありました。
お客様から質問をいただいても、うまく答えられない。
そのことが、ずっと自分の中に引っかかっていました。
■身体を一から学び直して
その後、組織を離れて自分で仕事をするようになり、身体について一から学び直す時間を取りました。
筋肉や関節の構造。
姿勢や動作の仕組み。
そして、身体がどのように動きをコントロールしているのか。
一つひとつ学んでいくうちに、それまで別々に見えていたものが、少しずつつながっていきました。
「この人には、今これが必要かもしれない」
「この動きができない背景には、別の要因があるかもしれない」
「だから、今はこのエクササイズを選ぼう」
そんなふうに、その人の身体を見ながら考えて、トレーニングを組み立てられるようになってきました。
そして、お客様にも、
「今やっていることには、こういう目的があります」
と、自分の言葉で説明できるようになっていきました。
以前感じていた、
「これで本当に合っているのかな」
という不安も、少しずつ減っていきました。
■今、質問してもらえることが嬉しい理由
今の私は、トレーニングを「決められた動きをこなすもの」だとは考えていません。
その人の身体を見て、今必要なことを考える。
そして、理由を持ってエクササイズを選び、その理由をできる限り分かりやすく伝える。
それが、今の私の指導の軸になっています。
だからこそ、
「これは何のためにやるんですか?」
「どうしてこれをやるんですか?」
と聞いていただけることが、とても嬉しい。
その質問をきっかけに、私もその方の身体について、もう一度考えることができます。
そして、お客様自身が、
「自分の身体はどうなっているんだろう?」
と、ご自身の身体に興味を持つきっかけにもなると思っています。
トレーニングは、ただ言われたことを繰り返すだけではなく、
「なぜこれをするのか」
を理解しながら進めていくことで、自分の身体を知ることにもつながっていきます。
だから、質問していただけることが嬉しい。
私自身も、もっと学びたいと思えるからです。
そして、一人ひとりの身体を見て、考えて、必要なことを選ぶ。
その理由を、できるだけ分かりやすく伝える。
それが、今の私が大切にしている指導です。
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